データから見る被災者の現状

西日本豪雨に伴う岡山県内の被災状況について
~ 被災者支援の現状について ~

岡山県くらし復興サポートセンター(社会福祉法人 岡山県社会福祉協議会)

平成30年7月豪雨の概要

 平成30年7月5日から本州付近に停滞する梅雨前線の活動が活発になり、中国地方で記録的な雨量を観測しました。西日本を中心に、各地区で甚大な被害が発生しました。気象庁は、この災害を「平成30年7月豪雨」と命名しました。

 岡山県では高梁川流域で、時間雨量20mmを超える比較的強い降雨が約15時間継続するなど、7月5日からの3日間の累加雨量は、7月の月間雨量の約2倍を記録しました。

 7月6日には、気象庁より大雨特別警報が発令され、高梁川など3水系10河川で決壊と浸水が発生しました。

 特に、倉敷市真備地区では、高梁川水系小田川及びその支川である末政川、高馬川、真谷川、大武谷川の8か所で堤防が決壊、7か所で一部損壊・損傷し、真備地区約4,400ヘクタールのうち約1,200ヘクタールが完全に水没、約5,700棟の住家が全壊、大規模半壊、半壊するなど、甚大な被害と多くの住民の尊い生命と財産が失われました。

 また、総社市内の各地区においても、多発した浸水や土砂崩れにより、約1,200棟の住家が全壊、大規模半壊、半壊しています。総社市下原地区では、浸水被害のほかにアルミニウム工場の爆発による火災や家屋損害が発生し、全壊、大規模半壊を含む多くの罹災家屋が集中しています。その他の近隣地区でも爆発被害による損壊家屋が多く存在しています。
現在も多くの被災者の方々が避難生活を送っています。

参考リンク先
◎ 倉敷市HPより:真備地区復興計画.pdf(9,889KB)
◎ 総社市HPより:総社市復興計画.pdf(2,837KB)

県内の被害状況について(岡山県発表を基に作成)

県内の人的被害状況

各市町村における住宅の被害状況
 人的被害
 死亡者 81人(倉敷市64人 総社市7人 その他市町10人)
―うち災害関連死 20人/行方不明者 3人

参考リンク先 平成30年7月豪雨による被害状況について(8月23日16時00分現在) 岡山県HP

県内の住家被害状況

全壊:4,830棟(倉敷市4,646棟、総社市84棟)
半壊:3,364棟(倉敷市846棟、総社市544棟)
一部損壊:1,126棟(倉敷市369棟、総社市523棟)
・総社市下原地区では、浸水被害のほかに、アルミニウム工場の爆発事故による火災や家屋損壊が発生
・倉敷市真備地区では、約4,400ヘクタールのうち約1,200ヘクタールが完全に水没

市町名 全壊 半壊 床上浸水 床下浸水
岡山市 13 1,196 1,042 3,986
倉敷市 4,646 846 116  
玉野市   2   13
笠岡市 2 177 22 153
井原市 11 39 120 167
総社市 84 544   265
高梁市 59 284 29 139
新見市 3 4 31 89
浅口市 1 2 5 71
矢掛町 4 239 17 85
他市町計 7 32 159 551
合計 4,830 3,365 1,541 5,517

被害状況は、岡山県発表を基に作成(令和元年7月5日)
参考リンク先 平成30年7月豪雨による被害状況について(令和元年7月5日14時00分現在) 岡山県HP

社協災害ボランティアセンター等の状況(平成30年度報告分)

被災直後から、県内の各地域でボランティアセンターが立ち上がり、被災された方への支援が始まりました。県内はもとより、県外からもたくさんのボランティアの方が訪れ、活動に参加されました。

市町名 社協災害ボラテンィアセンター等の状況 活動延べ人数 等
岡山市
●北区復旧支援ボランティアセンター
(北区災害ボランティアセンター)7/11~8/25開設
●東区復旧支援ボランティアセンター
(東区災害ボランティアセンター)7/11~9/22開設
9/23より通常の社協業務対応に移行。
岡山市北区:1,552名
岡山市東区:6,737名
倉敷市
●倉敷市災害ボランティアセンター 7/11~開設中
※2019.4.1より まび復興ボランティアセンターへ
名称変更、移転し、土日も開所。
10/1から倉敷市真備支え合いセンターを開設。
103,227名
(平成30年3月末まで)
玉野市
●玉野市災害ボランティアセンター(常設型)
10名
笠岡市
●笠岡市災害ボランティアセンター 7/9~9/8開設。
9/10より笠岡市復興支援センターへ移行 12/28まで。
ボランティア活動期間 7/10~11/12 
11/13より通常の社協業務対応に移行。
668名
(復興支援センター含む)
井原市
●井原市災害ボランティアセンター 7/9~8/8開設。
8/9より通常の社協業務対応に移行。
350名
総社市
●総社市災害ボランティアセンター 7/8~9/30開設。
10/1から総社市復興支援センターへ移行。
15,231名
高梁市
●高梁市災害ボランティアセンター 7/9~7/31開設。
ボランティア依頼世帯を訪問し、状況把握を行い、対応。
8/1より通常の社協業務対応に移行。
3,134名
新見市
●新見市災害ボランティアセンター 7/10~7/22開設。
新見市災害支え合いセンターへ移行。7/23~9/21開設
被災世帯を訪問し、状況把握を行い対応。
9/22より通常の社協業務対応に移行。
163名
支え合いセンター:143件訪問
浅口市
●浅口市災害ボランティアセンター 7/11~8/2開設。
8/3より通常の社協業務対応に移行。
189名
矢掛町
●矢掛町災害ボランティアセンター 7/11~9/9開設。
9/10より通常の社協業務対応に移行
1,970名

特に被害が大きかった、倉敷市真備地区と総社市の人口・世帯数と、罹災証明書発行件数

倉敷市真備地区(平成17年合併) 総社市
平成30年6月末 人口22,797人 世帯数9,006世帯 人口68,737人 世帯数27,375世帯
平成31年3月末 人口20,659人 世帯数8,129世帯 人口68,994人 世帯数27,849世帯
罹災証明書発行件数 約5800世帯(約64.4%) 約460世帯(約1.6%)

自然災害が、大規模化・甚大化・局所化する傾向にある中、県域連携の重要性は増しています。

被災者の方々の状況

 発災から1年が経過した今も、多くの方がご自宅を離れ、応急仮設住宅等での生活を余儀なくされています。現在、被害の大きかった倉敷市真備地区、総社市では建設型仮設住宅が建設されていますが、戸数も限られており、多くの被災者の方は、他市町の借上型仮設住宅(みなし仮設住宅)で生活されています。住宅の再建も進んではいますが、まだ再建の見通しが立ってない世帯も多くあります。

市町名 建設型仮設
入居世帯
借上型仮設住宅
入居世帯 等
(みなし仮設)
被災住家生活世帯 合計
倉敷市 6箇所
198世帯
約1,992世帯 約3,810世帯 約6,000世帯
総社市 2箇所
36世帯
69世帯
(家賃補助等その他含む)
343世帯 448世帯

2019年9月末時点 随時変動あり

岡山県内の借上げ型仮設住宅戸数状況

借上型仮設住宅戸数は、平成30年11月末をピークに減少傾向です。
令和元年9月末時点で、借上型仮設住宅戸数は2,103戸となっています。
徐々にではありますが、リフォームが終わり、自宅に戻り生活されている状況がうかがえます。

見守り訪問活動から見えてきた相談内容

 平成30年10月以来、倉敷市真備支え合いセンター、総社市復興支援センターでは被災世帯へ見守り連絡員・生活支援相談員等により、訪問やお電話で現状を伺いながら、相談をお聞きしています。
 また、必要に応じて支援機関や住民同士の交流の機会などへつなげています。
 以下のデータは、被災者見守り・相談支援事業実績報告を参考に、本センターが作成したものになります。

【平成30年度(平成30年10月~平成31年3月まで)】

 健康・医療関係、居住関係が相談の半分を上回っています。
 生活環境の変化にともない、健康面で不安を抱えている方が多い状況がわかります。
 それに加えて、介護や経済的な不安なども多くなっています。

【平成31年4月~令和元年6月まで(被災から9か月から12か月)】

 徐々に自宅をリフォームされたり、建て替えされたりしたという声も聞かれるようになってきました。
 完全に自宅を再建されている方が、徐々に増えており、住まい環境が落ち着き、当初より住宅関連の相談が減ってきました。変わらず、健康面での不安を抱えている方は多くおられます。
 また、介護・福祉関係の相談が増えており(倉敷9%→16%、総社3%→4%)、高齢の方の健康面での不安が増えてきているのではないかと想定されます。